侵入窃盗 〜対策への道〜 「商店への窃盗はガラス破りが主流」

COLUMN
侵入窃盗 〜対策への道〜
商店への窃盗はガラス破りが主流

2020/09/16
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商店への窃盗はガラス破りが主流

警察庁の統計によると、侵入窃盗の認知件数は年々減少しており、2018年における認知件数は62,745件で2009年の半数以下となっています。
過去最多を記録した2002年には338,294件でしたから、そこから比べると1/5以下に減少した計算となります。
令和元年中は57,808件と、なんと戦後最少を更新しました。
しかしながら、一日当たり約158件もの侵入窃盗が発生しており、いまだ多くの被害者を出し続けています。

令和元年の侵入窃盗57,808件のうち、約6.5%(3,767件)が「商店」への侵入です。
データでは生活環境営業と商店と区別されているホテル・旅館、パチンコ店、深夜飲食店も含めると
約14.7%(8,498件)もの被害が起きています。

「戸建住宅」への侵入が約44%ですので、数字的に見ると少ないように感じられるかもしれませんが、
店舗には現金や商品などがあり、被害金額はとても高額になります。

(※商店とは、デパート、総合スーパー、ホームセンター、家電量販店、コンビニエンスストア、ドラックストア、その他のスーパーマーケット、給油所、レンタルビデオ店、貴金属店、古物店及びその他の商店と定義)

泥棒

店舗の場合には、一般家庭と異なり犯罪者に狙われやすい理由があります。

  • 夜間や定休日などは無人となる。
  • 無人であることが外観からすぐに判る。
  • 大金は置かれていなくても、翌日の釣り銭などがある。
    ※銀行が休業の時やゴールデンウィーク、年末年始などで売上金額が高額になっている時は特に狙われやすい
  • ATMが併設されている場合はATM内の現金が狙われる。
  • 夜間無人な上、商店街などは住民が少なく少々の音を立てても周囲に気付かれにくいため、大型の破壊機器が使用できる。
  • 営業時間中に客を装って店内の下見ができる。
    ※カメラの設置場所、警備状況、金庫・レジの場所、高額商品の展示場所、従業員数、従業員の勤務体系など
  • 盗んだ商品はリサイクルショップやインターネットオークションなどで販売できる。
  • アルバイト従業員などから警備状況やいつ現金が多いかなどの情報が漏えいしている場合がある。
金庫破り

侵入口と手口

警察庁が発表した平成30年のデータによると、商店においては「ガラス破り」がもっとも多く全体の約35%で、内訳としては、「表出入り口のガラス破り」がもっとも多く、「窓のガラス破り」が続きます。

ホテル、パチンコ店、深夜飲食店などの生活環境営業でも同じく
「ガラス破り」での被害が最も多く、全体の約26%を占めています。
こちらは出入り口よりも窓のガラス破りが多いという結果に。

また、「無締り」も商店で24%、生活環境営業で25%とガラス破りに続いて多くの被害が報告されています。
「表出入口の無施錠」は商店で446件、生活環境営業で646件とかなり多く、
窃盗犯を堂々と招き入れてしまう原因ともいえるでしょう。

その他にも「ドア錠破り」が商店と生活環境営業共に約14%、
「合鍵」が商店で約6%、生活環境営業で約14%となっており、
ガラスや扉を強化したとしても別の方法で侵入されることもあります。


手段別防犯対策法

無人にする際にはたとえ短時間でも窓や扉を施錠するというのが防犯の基本です。
出入り口だけではなく小窓の鍵をうっかりかけ忘れただけでも
侵入されてしまう可能性は大いにあります。

そしてガラス破りには扉や窓のガラス強化が必須です。
警察庁が元空巣・泥棒に対して行った調査によると、ガラスを破るのに2〜5分かかると51.4%が諦め、
5分以上かかると74.3%、10分以上かかると82.9%が侵入を諦めると答えたそうです。
ガラス破りに5分の時間を稼ぐと認められる製品には官民合同会議で作られた「CP(防犯)マーク」がついています。
防犯対策をする際は、このCPマークがついた製品を上手く取り入れることを考えるといいでしょう。

しかし、こういった防犯ガラスには、打ち破りについての基準はありますが、焼き破りの基準は設定されていません。
そのため、焼き破りに対しては「警報アラーム」や「補助錠」などといった防犯アイテムで対策をした方が安心です。

合鍵に関しては侵入検知センサーなど防犯システムの設置が有効です。
入退室を管理できるシステムも多数存在します。

ちょっと気を付けるだけで、防げる被害があります。
もちろん、どんなに気を付けていても起こってしまうこともあります。

起こってしまった後、犯人を捕まえるために役に立つのは防犯カメラです。
何も起こらないのが一番良いですが、もしものために設置しておくことをおすすめします。


 

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