車上荒らし 〜対策への道〜 その1 「スマートキーの危険」

COLUMN
車上荒らし 〜対策への道〜
スマートキーの危険

2020/09/15
#車上荒らし #スマートキー #車両盗難 #車上狙い対策 #リレーアタック


スマートキーが危ない!?

意外にも身近なところで多発している”車上荒らし”。

つい先日静岡県内外で駐車している車の窓ガラスを割り、
車内からバッグや財布を盗むなど車上ねらい175件に関与した疑いで52歳の男が追送検されました。
なんと被害額は1400万円にも上るそう。
他にも静岡南署の敷地内に侵入し、車庫で証拠品として管理されていた車両から
現金やナンバープレートなどを盗むという驚くべき事件もありました。

 

車上荒らしと聞くとガラスを割っての犯行を思い浮かべる方が多いかと思います。

 

しかし最近主流となっているスマートキーになんと落とし穴が。
スマートエントリーキーの便利さを逆手に取り、その弱点を突く
”リレーアタック”という手口による被害がいま拡大しています。

北米で起きたとある事件です。
トヨタの2013年式プリウスのオーナーであるA氏は、ここ最近だけで3回も車上荒らしに遭いました。
当然警戒していたわけですが、ある日コーヒー片手にリビングの窓から自宅前に停めたプリウスを見ていると、
少年少女がなにやら黒い箱をバッグからゴソゴソ出したかと思うと、あっさり車内に入り込んだというのです。 

不思議なことに車には傷もなく、無理やりドアをこじ開けた跡も見当たりませんでした。
もちろん警察に通報し、トヨタにも連絡を取って原因を究明しようとしたものの、
結局どうやってプリウスに入ったのか分からなかったそうです。

そこで、セキュリティの専門家に相談したところ、
「スマートキーの信号を増幅させる装置を使って解錠したのです」という回答が返ってきました。

A氏はキッチンテーブルの上にスマートキーを置いており、プリウスとの距離は約15mありました。
本来なら有効距離の範囲外です。

ご存じのように、スマートキーは身につけておけば、車に近づいてタッチするだけでドアを開けられます。
言い換えれば車に近づく必要があるのですが、
犯行に使われた道具は、この信号を増幅させることでキーが近くにあると車に錯覚させるというものでした。
そうして簡単に開錠・エンジン始動まで行えてしまうのです。

海外では以前から被害が報告されているリレーアタックですが、日本でも最近被害が発生し始めています。
関西エリアや東海地方で多く発生しており、大阪では初めて犯行の様子が捕らえられたそう。
リレーアタックでの犯行時間はたったの数秒とあっさりと盗み出せてしまうのです。

しかしながら、これにはひとつ防衛策があります。
要は車とスマートキーの距離が近かったとしても、キーの電波が漏れないようにすれば良いのです。

詳しく解説していきます!


 電波の増幅を防ぐのが唯一の手段!

その1 

鍵からの電波を受信できなければ、リレーアタックを行うことが出来ませんよね。
そうであれば金属製の缶などにスマートキーを入れて蓋をすれば電波を遮断することができます。
少し取り出すときに面倒ですが車に近い位置でしか鍵の保管ができない場合などは
こうすることで被害を防ぐことができます。

その2

自宅での鍵保管はなるべく家屋の中心にしましょう。
増幅させても届かない距離に鍵があればリレーアタックは無効。
窓側や玄関での保管をしている方はなるべく中心での保管を心がけてみてください。

車上荒らし

▲車上荒しの危険性を高める理由は、スマートキーを置いてある場所と車の距離。
 近いとキーの信号を増幅されてしまう可能性があります。

ちょっと気を付けるだけで、防げる被害があります。
もちろん、どんなに気を付けていても起こってしまうこともあります。

起こってしまった後、犯人を捕まえるために役に立つのは防犯カメラです。
何も起こらないのが一番良いですが、もしものために設置しておくことをおすすめします。




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